日本の公立学校のみで英語を勉強→海外1年→TOEIC 950点→海外事業部勤務、の私の学習歴と見える世界

タイトルのような経歴の私(30代)の英語力は、文部科学省の定めた英語のカリキュラムのみで英語を勉強して海外に行くとどうなるかの例と言えると思います。私がこれまでどのように英語を身につけてきたか、現在どういった状況にあるかを参考に記しておきたいと思います。

 

(小学校まで)

特に英語の習い事もしておらず周囲に外国人もおらず、純日本の環境で育つ。日本語の読書は好きだった。

(中学)

授業で初めて英語に触れる。中学英語はいくつかの文型と単語を覚えるだけなので普通にできた。(家が貧乏で公立高校に行くために受験勉強は頑張った)

(高校)

・公立の進学校で受験英語を学ぶ。発音は下手だが受験英語のプロ、といった先生にあたり、英文法をみっちり学ばされた。受験英語は単語熟語の暗記と、英文法の確実な理解に基づき、ロジカルに長文を解釈するというパズルのようなもので、割と得意だった。(東大に毎年1~2名入る田舎の進学校で英語は上位10%に入ってた、というくらいの得意さ)

・大学受験では英語の配点が高い一橋の某学部と早稲田の某学部に合格。塾には行かず高3でZ会利用。

愛用していた参考書は以下。

 

速読英単語1必修編[改訂第6版]

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速読英単語2上級編[改訂第4版]

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大学入試英語頻出問題総演習 (即戦ゼミ) 最新六訂版

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総合英語Forest 7th Edition

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(大学)

一橋大学に進学。大学の英語の授業は昔ながらの英文学の古典を読む授業や最新風のリスニングの授業を履修したと思うがあまり記憶にない。特に英語の独学もしていなかったが、洋楽が好きでよく聞いていた。毎週1枚はアルバムを買ったり借りたりし、たまに歌詞カードを読む程度。

・大学のゼミでは英語の専門文献も何冊か読んだ。受験英語の延長で辞書を使えば読み解けた。3年の終わりに2週間アメリカへゼミの調査旅行(初海外)。アメリカ人へのインタビューは予め用意していた質問を読み上げ、その場での理解は半分強程度か。録音しておき詳細は帰国後に帰国子女の友達と確認した。

TOEICを初めて受験。700点くらいだった。

 

(社会人・渡米前)

・社会人5年目くらいで一年の海外勤務に応募。応募のために受験したTOEICは860点。特に熱心に勉強していたわけじゃないが、この本を読んだら100点以上点数が上がった。

 

TOEIC Test 「正解」が見える【増補改訂第2版】

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 ・英語の発話に苦手意識があり、渡米前の英語力チェックの面接で「今から言う日本語を英語に訳してください。『昨日、麻生首相が国会で所信表明演説を行い、評判はまずまずだった。』はいどうぞ。」でYesterday, Aso spoke…としか言えなかった。簡単な電話対応も片言になってしまうレベル。

 

(渡米中)

・現地で勤務しながら語学学校へ通った。ホームステイもした。周りに日本人もいる環境でネットもあったので英語漬けというわけにはいかなかったが、アメリカで生活することで自然な英語の感覚や雰囲気を掴めたことは大きかった。

・日本の教材でも英語を勉強した。当時使ってよかった教材はこちら

 

 

英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法

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DUO 3.0

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日本人の英語 (岩波新書)

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続・日本人の英語 (岩波新書)

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(渡米後)

・帰国直後にTOEICを受けたら950点だった。日常的に英語に触れていて、英語の処理が早くなった印象。TOEICで初めて最後の問題まで到達。

(海外に1年以上いて海外の大学を出たりした人でもTOEIC900点行かない人は多い。TOEICはペーパーテストが得意な人が有利。)

・引き続き社内の研修などで英語。TOEFL iBTの模試では98点相当とのこと。本試験はまだ受けたことがない。

・海外事業部の勤務になり現在にいたる。社内は日本語、海外とのやりとりは英語といった状況。

 

(現在の英語力で問題なくできること)

・Web上での情報収集や契約書の読み込み等。

・電話や会談などでの1対1のやりとり、英語でのプレゼン(日本なまり)。

・非英語圏の参加者を含む多数が参加する会議への参加と発言。

・メールや文書のやりとりによる細かい交渉。(不自然かもしれないが文法的には間違いがなく、意図が伝わる文章の作成)

・海外旅行の現地手配やトラブル対応等

・得意分野の英文記事の辞書無しでの読解

 

(現在の英語力でできないこと)

・重要な謝罪、不特定多数に公開する文書等、「ネイティヴが読んで単語の選択が不自然でなく、美しい」文書の作成

・AとThe、単数・複数形を間違えない

・ネイティヴっぽいかっこいい発音

・英語圏の参加者のみが多数参加する、複雑な会議への貢献。

・字幕なしで映画・テレビ番組を理解する

・辞書無しで洋書をきちんと理解する

・文法的にほぼ間違いのないスピーディな会話。

・パーティ等で雑談を自然に展開する(ただしこれは日本語でもできない)

 

(現在の英語学習方法)

・趣味の分野の英文記事を読む、ポッドキャストやストリーミングの視聴。趣味の分野など、楽しくないと続かない。

 

(悩み)

・これ以上(ネイティヴ並み?)に英語力を向上させるにはかなりの労力が必要と思われるが、英語学習以外にも子育てや仕事や趣味等やりたいことが多いので、時間がない。

 

(アドバイス)

・日本で生まれ育ち、ネイティヴ並の英語力を身につけ、「英語を武器」に世界で活躍するのは相当な努力が必要で難しい。

・日本で生まれ育ち、その後「世界で活躍」したいなら、英語以外の武器(日本での学歴や日本語での専門性)を持ち、「英語も結構できます」くらいがよいのでは。

・高校まで日本、その後留学して「それなりの」海外大学を出て日本に戻ってきても、有名企業への就職は難しい(選ばなければ仕事はあるが・・・)

・よって若いうちはあまり英語ばかり勉強しないで他のこともやった方が良い。

受験英語の貯金は結構大きい。英語を流暢に話すのには役に立たないが、ロジカルに英語でビジネスを進めるのには役に立つし、TOEICにも役に立つ。